加減難しい「家族的労使」 日本経済新聞より

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昨日少しふれた、8月24日 日本経済新聞朝刊の記事です。 奥が深く考えさせられるところも多いと思います。 当方は共感を覚えます。

 

加減難しい「家族的労使」

 鹿島と小笠原の間でイタリア・レッチェヘの移籍話がこじれている。そのこんがらがった糸をほどいていくと、どうも最後は、鹿島ならでは?の「家族的労使関係」の功罪にたどり着く気がしてならない。

 というのも、経営側と小笠原の双方とも契約書を盾に争っているようには見えないからだ。むしろ契約書の文言にはない口約束(オマエの悪いようにはしないから、のたぐい)を巡り「言った」「言わない」でもめている感じ。見え方としては親子げんかに近い。

 気持ちの整理がつかず、二十日のJリーグ出場を拒否した小笠原を「いかなる状況であれ、試合に出るのがプロ」と厳しくしかるチーム関係者もいなかった。漂うのは、従順だった息子の突然の引きこもりに困惑する親のような風情。

 鹿島が海外移籍に関して選手の悪いようにしてこなかったのは事実である。2002年の鈴木、2003年の柳沢、そして今年1月の中田浩と最終的には選手の希望をかなえてきた。それが今回は裏目に出ている感もある。その間チームを支えてきたのはオレという自負を持つ小笠原に「まだ契約が残っている。移籍は無理」と説教しても「なぜ、自分だけ行かせてくれないのか」と態度を硬化させるだけなのだろう。

 「悪いようにはしない」という「あうんの呼吸」でなく移籍に関する約束事をドライに文書にしておけば、こんな騒ぎは避けられたかもしれない。あるいは契約関係はすべて代理人に任せ、選手はプレーに専念という形を取っていれば、ストライキはなかったのかも。

 ただ、故障を繰り返して何年も使い物にならない選手を親身になって抱え続けるウエットな土壌から、毎年のように海外のクラブから狙われる選手が育っているのも事実。その湿り加減を一概に否定するわけにはいかない。
(8月24日 日本経済新聞 朝刊 「ピッチの風」)

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